うつ病がきっかけでイラストを本気で描くようになった大滝さん。彼がつくっているモモの木という優しいイラストの世界観。イラストの枠を超え、繊細さんのために挑戦している新しい展望を聞いてきました。▼目次①昔から描いていたイラストが、今の自分と重なった。②モモの木はイラストだけでは終わらない。③モモの木で、繊細さんが集まれる第三の居場所を作りたい。公開日:2023/12/2読了目安:6分インタビュアー&編集者:堀川翔なんとなく描いていたイラストが、今の自分と重なった。【大滝幹生(おおたきもとき)】1998年生まれ。神奈川県川崎市出身。0歳7ヵ月〜12歳までフランス在住。東京外国語大学卒業後、介護の大手企業に入社。入社2年目にしてうつ病診断を受け、繊細さんの居場所づくりとしてイラストを通した「優しい」気持ちの発信に乗り出す。現在は持病と向き合いつつ、『モモの木』のキャラクターたちとともに、将来的には個人店舗や繊細さんのコミュニティつくりがしたいと意気込んでいる。堀川)今やっている活動について教えてください!モモの木というオリジナルの世界観をイラストで描いています。根源的なはじまりは、ただのLINEスタンプでした。うつ病で休養してる時に、「今このタイミングで動かないとまた元の生活に戻るんだ」と思いました。そのタイミングで、これまで自分がやれなかったことや自分が好きなことをやってみようと思い立ちました。背景として、この休職中に行動として動かないとまた介護職としての生活に戻ることになるなと感じていたんです。ただ、これまではメモ帳やノートの端っこにイラストを書くぐらいの程度でしたし、 世の中ではイラストや絵を仕事にできるのは一握りしかいないと言われていたので、仕事にするという考えは正直なかったです。この時に、LINEスタンプでキャラクターを書いて作ってみたんですけど、繊細さみたいなところが自分の想いと重なり、自分に似た状況で苦しんでいる人に苦しまなくても生きれるということを伝えようと着地しました。そういう思いが重なって、モモの木のキャラクターたちが1つの世界観となり、伝えたいメッセージと共にイラストへと落とし込むようになったんです。堀川)モモの木はどこで見れますか?Instagramで毎日投稿していて、商品展開などにも挑戦していますが、形になっているものとしてはイラストが1番多いですね。実は今Kindleの電子書籍で、インスタのまとめ本みたいな形でこれまでやってきた物語を展開しています。あとは手書きで色紙とかポストカードをハンドメイドサイトで売ってたりしていて、有難いことに今ではファンの方に買って頂いています。SNSはInstagramに加えて公式LINEもやっているので、最終的にはお客さんとの一方的な繋がりじゃなくて、僕も含めて同じ繊細さんのみんなで繋がれるような世界を作りたいです。最終的にはコミュニティみたいな世界観で小さな優しい世界を作りたいと思ってます。そのため、より興味を持ってもらえた方には公式LINEに入ってもらえたら嬉しいです。モモの木はイラストだけでは終わらない。堀川)モモの木の1番の個性ってなんですか?本当に優しい言葉です。やっぱり僕はイラストだけで終わりたくないんです。作り手の「伝わるでしょ」っていう感覚は好きじゃないんですよね。やっぱり人生1度きりだし、 本当はこれ伝えたかったんだよっていうものをちゃんと形にせずに終わったらもったいないと思っています。だからこそ伝えたいことをちゃんと言葉を載せてるんですよね。1つの絵に対しても物語や自分の想いを繊細さを持つ動物たちに預けていて、そういった言葉を毎回ちゃんと言葉にして届けていることが特徴だと思います。実際に周りの人に「救われる」っていう風に言ってもらえるので、しっかり伝えるということをしていて良かったなと思います。堀川)なぜイラストの中で動物を書こうと思ったのですか?単純に動物のフォルムが好きなんです(笑)。最初はウサギとアザラシだけ書いたんですよね。初めは名前も持たないただの動物として出ていたのですが、イラストとしては「癒しを与えられるようなもの」を目指していました。だからこそ見ただけで優しさをもらえるようなかわいい動物というのは自然と生まれたという感覚です。モモの木の世界観では、実は主人公が決まってないんです。モモの木っていう名前ですが、別にモモが1人主人公ってわけじゃなくて6人のキャラクターとそれを読んでる人それぞれがみんな主人公としての物語があるんです。裏テーマじゃないですが、物語に出てくるキャラクターにはそれぞれに色が決まっています。それを読んでる皆さんも、自分の色というのは持っていると思っていて、ぜひ皆さんにも自分の色を大切にしながら生きてほしいです。僕1人じゃなくて、そこに触れる人たちと一緒に、自分らしさを突き詰めていけたらなっていう風に思います。モモの木で、繊細さんが集まれる第三の居場所を作りたい。堀川)実際にオフラインでイベントや交流などもあるのですか?直近で言うと11月5日に大阪でハンドメイドやオリジナルイラスト作品などを作ってる方が集まるマーケットに出店します。これが自分にとっては初めてのリアルイベントですね。今はインスタライブを週1とかでやっているのですが、ファンの方と話してるとやっぱりリアルの繋がりって大事だなって思うので、オフラインで交流できるようなイベントを増やしていければと思います。堀川)今後の展望を教えてください!モモの木がもっと皆さんの生活の中で休めるような場所になりたいと思っています。今後はネットショップやホームページなどでグッズを手に取ってもらったり、休まるような存在でいたいです。コミュニティ作りやリアル店舗を持ちたいという気持ちが強くあるので、最終的にはグッズを売ることに加えて、飲食スペースなどを設けることで実際にそこに居座りながら穏やかな時間が過ごせるようにしたいです。かつ、そこに集まる人の多くが繊細さんだとお互いの気持ちがわかりコミュニケーションも捗るかなと思っています。最近はよく言われている第三の居場所のように、家庭と職場以外で休まるような心の居場所を作れるようにしたいです。ー素敵なメッセージをありがとうございます!