早稲田大学で雑誌サークルを0から作り上げた彼女。なぜ何もないところからサークルを立ち上げることになったのか、その道のりでどのような大変なことがあったのだろうか。組織を作る裏側のリアルを聞いてみました。▽目次1.1人ではダメ。みんなで愛情の持てる雑誌を作ってみたい。2.嫌いなものは自己満足。王道ではないサークルの立ち上げ方。3.合わせるより、ぶつける。発言から始まっていく関係性。公開日:2023/09/28読了目安:6分インタビュアー&編集者:堀川翔1人ではダメ。みんなで愛情の持てる雑誌を作ってみたい。【中村結(なかむらゆい)】2002年生まれ。北海道札幌市出身。転勤族で道内を10回以上の引っ越しを経験し、大学入学を期に上京し、早稲田大学に入学。大学1年3月に、高校生や大学生に行動のきっかけを創りたいという想いから、インカレサークルRunを創立。現在は創立2年目を迎え、約30名にて1万部を目標に大学生の「今」を伝える雑誌を制作中。堀川)中村さんはサークルを立ち上げたとお聞きしましたが、それはいつから始めたのですか?大学1年生の3月頃に雑誌サークルを立ち上げました!サークルをやりたいと考え始めていたのは大学3年生の11月だったので、具体的になにしようかなと4ヶ月間考えて、雑誌を思い付きました。堀川)元々なにかを作るのが好きだったんですか?はい!作ることが元々好きで、小さい頃は図工が好きでした。最悪の状況を想定する癖があって、「これがうまくいかなかったらどうしよう」という可能性を全部考えちゃう性格なので、それを全部1つずつ潰していってました。サークル立ち上げに関わらず、自分さえ諦めなければ何事も絶対実現できると信じているのもあります。堀川)何かをやりたいと思っていても行動できない時のコツとかありますか?自分は割と3日坊主タイプだったので、自分の趣味などは何をやっても続かなかったです。でも、辿り着きたいゴールがあったとして、自分の現在地がゴールとどれぐらい離れてるかっていうのをまず計算します。そこから道のりをステップ1、2、3みたいな形で小さく分けます。そこからはタスクをリストに洗い出して、毎日やっていくというシンプルな流れです。毎日やることを決めて小さなことでも進捗を見えるようにするのが、継続できる秘訣です。ーとても勉強になります堀川)サークルはなんで立ち上げようと思ったのですか?高校生の時からの想いとして、学生の生活みたいなものを発信して、ちょっとでも行動のきっかけを与えたいと思っていました。ずっと1人でInstagramとか発信をしていたんですけど、全然うまくいかなかったりして、1人でできる量って限界があるなっていう風に思いました。そこからチームでやりたいと思ったのですが、チームでSNSをメイン活動にするのは違うなと感じたので、じゃあ発信だったら何がいいかなと考えてました。並列して小中高とか過去の色々な体験から「人の個性を生かせる場所を作りたいな」っていう思いがずっとあって、自分は結構にわかタイプだから、にわかの人でも良いと思えるものを極められる場所を作りたいなと思いました。この要素が組み合わさるものってなんだろう、、と考えていた時に雑誌だったら企画から編集、取材、撮影、デザイン、制作、販売とか過程が多く、バラエティ豊かなので絶対どこかしら好きなところ見つかるだろうって思いました。あと、そもそも自分は紙媒体がすごい好きで、付箋で書いたり、線引いたりとかすることで愛情の持てるものを作りたかったから、雑誌が一番ちょうどいいなと感じました。嫌いなものは自己満足。王道ではないサークルの立ち上げ方。堀川)作る時は、届ける人と、自分たちの理想のどちらから考えるんですか?自分たちが作りたいものを作っても自己満足になり、結局なにも届かないで終わる。ただ作って終わりみたいになったらそれは違うと思っています。だから、ちゃんと自分たちのやってることが、「高校生や見てくれる人のモチベーションに繋がらないと意味がない」っていうのはズラさないことを軸として活動していました。堀川)サークルを立ち上げるまでに具体的にはどういうことをしたんですか?最初はなにもわからなかったので、東京にある類似したサークルを全部調べました。スプレットシートにtwitterやインスタのリンクとか全部貼って、発信内容やコンセプト、所属人数などを整理してから地道に考えていきました(笑) 新入生歓迎会やインスタの発信内容を考えたりして、届けたいモチベーションの種類やどういう共感を届けたいとかを発信しました。ただ、想いだけで 人が集まるのかなと疑問に思っていました。あと、インカレサークルに対する不信感も自分だったらあるなと思い、人が集まるような信頼を得なきゃいけないと考えました。そこで、メディアに沢山メールを送って自分の記事を取り上げてもらうことで信頼を得ようと考えたんです。最初は地道にチラシ配りましたが、初期のメンバーは髪色が派手で、自分は青色、友達はピンクで、他大学でチラシ配りしたら宗教勧誘ですか?って言われてしまったんです(笑)。これはすぐやめた方がいいねと話し、チラシ配りはもうやめました。そこで、Instagramに集中して発信したり、説明会を開いたりしていくことで最終的にメンバーが少しずつ集まってきました。ちなみにサークルは、公認と非公認の二種類があるんですけど、公認になるためには早稲田の大学の人が30人いて、専任の教授がいて、設立3年以上みたいな基準があるから、自分たちはまだ未公認です。堀川)雑誌制作についてもう少し教えてください! 雑誌を制作するにあたって、まずやったことは企画の立て方などのWEB記事を沢山読んだり、本屋さんに売ってる雑誌系の本を端から端まで読んだりしました。インプットと行動の量が大事だと思っているので、お店への取材や、 実際の撮影、記事を書いたりとかはとりあえず量をこなして、失敗したら直して、失敗して直して、を繰り返すようにしました。結果として遠回りなのかもしれないんですけど、そういうのを地道にやって自分が慣れてきたら今度は他の人にそれを資料を元に伝えます。上手くいくフローを自分の中で整理して、それを他の人に伝えて、できる人が1人増えて、またさらにできる人を増やしていく、こんな循環をグルグルと回していました。合わせるより、ぶつける。発言から始まっていく関係性。堀川)雑誌制作、サークル立ち上げで1番難しかったことはなんですか?難しかったことは、 何もわからない状況の中でも自分は気合!って思ってるけど、みんなは気合でどうにもならない部分があるので、その熱量や感覚の違いを受け止めて、そこをどうやってみんなにもできる!と思ってもらえるようにするのか工夫しながら進めていくことですね。30人をまとめる経験が過去になくて、どうみんなの個性を生かして、やってよかったって思えるような環境を作るかが難しい。雑誌もちゃんと完成させて、数字的な目標も達成することも必要なので、そこの両立のバランスを考えるのがすごく大変でした。途中で辞めてしまうメンバーも何人かいて、どう対応していくかとか最初のうちは分かりませんでした。自分もみんなの個性を活かしたいと思っていて、自分のペースに合わせてもらうのが申し訳ないと感じてましたし、やっぱり人それぞれ違うからみんな無理しないでねって接してました。でも、メンバーから「もっと思っていることをちゃんと言った方がいいよ」っていう指摘をもらって、思いや相談をメンバー内で共有することが徐々にできるようになり、少しずつ組織が良くなっていきました。やっぱり、自分が1番やる姿勢を見せたりとか、みんなに困っていることを聞いてみたりとか、個別で声かけて聞いてみたりとか地道なことをやるしかないなということに気づきました。堀川)これを見てなにかを始めようと思い始めている人もいると思うので、最後にメッセージをお願いします!私は、やって後悔するより、やらないで後悔する方が嫌です。時間は永遠に過ぎていくので、どうやっても昔のようには戻れないって思っています。だから、もしやるかやらないかで迷ったら、 やらないで後悔した時の自分を思い描いた方がいいのかなって思っています。自分はこれをやらなかったら絶対後悔するんじゃないかっていうことを念頭に置いて、自分もやりたいことは、やるしかない!という意気込みで進んでいきます。ーありがとうございました!